

KAWARA MANIA
瓦の「匠」、社長が瓦を愛する皆様に、瓦のこと、屋根のこと、修理のことなど、ディープな瓦屋根の世界へご案内いたします。好きな人だけ、読んでみてね。


日本における瓦屋根の歴史
瓦屋根は飛鳥時代(592-710年)に遡り、寺院などの宗教建築に使用されました。日本に瓦技術が伝わったのは中国や朝鮮半島からで、当初は高価で貴重な資材であり、一般家庭では使用されていませんでした。奈良時代(710-794年)には、仏教の影響で寺院の建築が盛んになり、瓦が広く使用されるようになります。その後、平安時代(794-1185年)から鎌倉時代(1185-1333年)にかけて、武家屋敷や神社などでも使われ始めますが、依然として豪華な建築物に限定されていました。
江戸時代になると、瓦は庶民の住宅にも使用され始め、特に火災の頻発する都市部では耐火性が重要視されました。瓦の普及により、江戸の大火などの災害から家を守る役割を果たし、江戸時代後半には技術の進化により様々なデザインや色の瓦が登場しました。

建築文化やその進化史
瓦は単なる屋根材ではなく、時代や地域ごとに異なる建築様式や文化を象徴しています。寺院の屋根には装飾的な瓦が使われ、神社の屋根には簡素で自然に溶け込む瓦が選ばれるなど、建築物の用途や宗教的背景によって瓦の使い方が異なってきました。
江戸時代には「火除け瓦」と呼ばれる耐火性能の高い瓦が導入され、火災リスクを大幅に減少させました。明治時代に入ると瓦の生産が機械化され、量産が可能となり、価格が下がったことで瓦は庶民の住宅にも広く使用されるようになりました。現在では、高性能な瓦が開発され、耐久性や断熱性能、防水性が大きく向上しています。


三州瓦(愛知県)
日本で最も生産量が多く、耐久性に優れ、釉薬瓦として広く使用されています。独特の光沢と美しい発色が特徴です。
淡路瓦(兵庫県)
高い防水性と強度を持つ、雨の多い地域に適した瓦です。主に素焼き瓦が使用され、自然な風合いが人気です。
石州瓦(島根県)
寒冷地での使用に優れ、耐寒性・防水性に優れた厚みのある瓦で、厳しい気候条件下でも長期間使用可能です。

瓦屋根には様々な種類があり、それぞれに独自の特徴があります。以下では、代表的な瓦の種類とその特長、選び方について解説します。

釉薬瓦(ゆうやくがわら)
釉薬瓦は、表面にガラス質の釉薬を施した瓦で、焼成により色鮮やかで光沢のある仕上がりになります。この釉薬により防水性が向上し、苔や汚れが付きにくくなります。釉薬瓦はカラーバリエーションが豊富で、外観に合わせて選ぶことができ、メンテナンスも楽なため、現代の住宅に最も広く使用されています。
素焼瓦(すやきがわら)
素焼瓦は、釉薬を施さずに焼き上げただけの瓦で、自然な風合いが魅力です。特に伝統的な日本建築や神社仏閣で使用されます。防水性や耐久性は釉薬瓦に比べて劣りますが、しっかりとした施工と定期的なメンテナンスにより長く使用可能です。自然に調和する外観が特徴です。
セメント瓦
セメントと砂を混ぜて成形し、塗装した瓦です。比較的安価で軽量ですが、塗装が劣化すると防水性が低下し、定期的な再塗装が必要です。短期的なコストを重視する場合や、屋根の重量を軽減したい場合に選ばれます。


耐久性
釉薬瓦が最も高い耐久性を持ち、長期的な使用に適しています。
防水性
釉薬瓦は防水性が高く、雨の多い地域や湿度の高い地域に向いています。
見た目
素焼瓦は伝統的な建築に合う風合いがあり、釉薬瓦やセメント瓦は現代的な住宅に好まれます。
コスト
セメント瓦は初期費用が安価ですが、長期的には釉薬瓦がコストパフォーマンスに優れます。












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